新人エステティシャンの頃、上司達から懇々と言われたのが、「這ってでもとりあえず職場に来ること。」「来られない時は入院か事故。」「連絡もできないのは大病。遅れる、休むときはとにかく連絡すること。」「具合悪かったら早引きしていいから。」でした。
私の最初に配属になった店舗は、本店です。
長くご贔屓にしてくださっている方、VIPもたくさんいらしていました。みそっかす新人スタッフの私は近づけないVIPです。(優秀新人スタッフは近づいてましたよ、もちろん。)そんなVIPの方々が、ご多忙な時間を割いてお越しくださる店ですから、ご迷惑をかけるとは滅相もございません。
予約制で、びーっちり予約の詰まっている店だったから、一人スタッフが欠けると、休んでいるスタッフが呼び出されたり、本来は技術をしてはいけない管理職が技術をしたり、誰かスタッフのお昼が無くなったり、協力して時間をヤリクリして接客します。せっかくの久々の休みに運悪く呼び出され、休みが無くなるスタッフはもうボロボロです。
管理職は本来、店舗管理業務をしなくてはならないのに、お客様に入るとお店全体のことに目が行き届かなくなり、お店に最終的に不利益となるため、施術は厳禁でした。
最悪、予約がどうしてもまわらない場合は、お客様にお詫びしてご予約を変更していただくのですが、お客様に予約を替わっていただくのは、言語道断、あってはならぬ、というな雰囲気がありました。
それは、当然です。先にも書きましたが、ただでさえ予約の取りづらいお店に、高いお金を払って、予約日を待ちわびて、お客様が遠くからわざわざ時間を作って、お越しくださるのです。お断りするのは、あまりにも申し訳なさすぎです。
新客様ですと、ワクワクドキドキの期待感で時間をやりくりしてご予約してくださってます。期待に沿うことができると、ご契約して常連様となってくださるかもしれません。これも、お断りなぞ、心苦しすぎます。
それより、遅刻する、休むとなると、同僚、先輩にその日の仕事を肩代わりさせてしまうことになります。
朝の準備と夜の片付け、膨大な洗濯物、あらゆる掃除箇所、山のようなカルテだし等バックルームの仕事の数々。これもまた同僚、先輩に申し訳なくて休むなんぞ、縮み上がりです。
ということで、とりあえず具合悪くても職場に行くという習慣が、エステ会社勤務で身につきました。
昼休みに点滴したり、空き時間に空き部屋でベッドに横になれるのが救いです。赤外線やホットマットが空いていれば、包まって暖をとります。お腹が痛い時はトイレはウォシュレットです、お尻の粘膜には優しいかもしれません。
インフルエンザとか、伝染病の場合は、休まないといけませんけどね。
その後、転職した職場は、具合が悪いときには、授業がなくて、仕事の段取りさえつければ、なんとか休めるのが天国かと思うくらい嬉しかったです。
で、エステ会社時代に、寝過ごして遅刻はあります。
遅刻した時のペナルティは、最初の店舗は朝のセッティングをすべて一人で行うのでした。
一人でスチーマー用の精製水を、しこたま作るのはしんどかったです。水ができあがるのをずっと待ってるのは時間の無駄だし、ちょっと目を離すと溢れているし。とほほです。ホットタオル用タオルと冷タオルなんか何百本絞ったんだろう。
結局、干してたタオルなんかは、たたみ終わらなくて、早く来た人が手伝ってくれました。その時は、もんのすごーく嬉しかったです。
もう、16年くらい前の話なので、今は違うのかもしれません。
お客様と接する時は、ニコニコで、でも裏では糸くずにまみれながら洗濯物片付けたり、カルテ書いたり、化粧品の管理したり、ご飯かき込んだり、汗で化粧はよれよれで、具合が悪くても、でも、お客様と接してる間は元気になれてました。
お客様が好きだったり、お手入れが好きだったり、ありがとうって言ってくださるのが嬉しくて、頑張れちゃってったんだろうなあ、と思います。
こっちが元気にしてもらって、それでありがとうって言ってもらえる仕事を見つけて良かったなあって、思えるのです。
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