言葉と想い
お越しになるたびに、ご主人の不満を話すお客様だった。
毎回お手入れの途中に話すことは、ご主人はマザコンである。自律性が無い。親としての自覚がなく育児に非協力的である。どれだけご自分が大変なのかということ、離婚したいということ。
お手入れに来るたびに、夫に対する不満や怒りをお話になる。
結婚というものが、何なのか全く解らない私は、ただ相槌を打つくらいしかできず、アドバイスも何もどうしていいのか、解らない。
そんな彼女が、ある日「でも、夫も外で辛い思いしながら仕事してきてくれてるのよね…。」とつぶやくようにおっしゃった。
私は驚いて、その言葉はご主人に伝えたことはあるかと思わず伺った。
一度も伝えたことは無いと、首を振る彼女。
その言葉ご主人にお伝えになったらきっと喜ばれるでしょうねと私が言うと、彼女は子供のような表情ではにかんだ。
そして、「私たち家族はね…。」と私たちと一括りにして、ご主人を含めて家族の話をし始めた。
その後のことは記憶に無い。
その後私は転勤したのか、彼女がサロンに来ることが無くなったのかよく覚えていない。
今もあの当時のご主人と仲良くされているのかしらと、ふと思い出すことがある。
| 固定リンク




コメント